「クローブウォーター」「クローブ水」はご存じですか?
最近、X(旧Twitter)で「クローブウォーター作りました」「クローブ水試してみました」といった投稿を見かけます。口臭予防や風邪予防に使っている方もいるようですね。
ハーバルセラピストのMOMOKOです。
古来、世界で親しまれてきたクローブは「歯医者さんのハーブ」とも呼ばれ、歯の痛みを和らげたり、口内の炎症を抑えたりする抗菌力に優れたハーブです。
まだ試したことがない方、もったいないですよ!この記事を読めば、クローブを取り入れたくなること間違いありません。
クローブと歯の関係の前にグローブを知ろう
クローブの和名は丁子(ちょうじ)
クローブはフトモモ科の木で、インドネシアが原産地です。
高さ10m〜15mほどまで成長し、年に2回、ピンク色の小さな花を咲かせます。
その花のつぼみを乾燥させたものがスパイスや生薬として使われるクローブです。
乾燥させると色が茶色になり、形は小さな「釘」に似ています。フランス語の「Clou(クル)」も釘を意味し、英語の「Clove(クローブ)」の語源になったと言われています。
また、日本語の「丁子」も「釘」を意味する文字に由来しています。
クローブの歴史
クローグの歴史は非常に古く、各地で利用されてきました。
例えば、5,000年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療アーユルヴェーダでは、消化器官の治療薬や口や喉の様々な炎症に処方されていたようです。
中国では、漢の時代、皇帝の前に出る時は、口を清潔に保つためと口臭を消すためにグローブを口に含んでおいたという記録も残っています。
歴史から見ても「歯」との関係が深いようです。
さらに「香り」から歴史をみてみると、エジプトの女王クレオパトラの話が有名です。
自分が乗る船の帆に大好きなクローブの香りを染みこませたとか。風に乗ったクローブの香りは、船が見える前にその香りでクレオパトラが近づいていると港の人々に知られたそうです。
日本のグローブの歴史も「香り」からのようです。
奈良時代に中国から来日した鑑真和尚によって仏教とともに「お香」としてえられたとされています。
クローブの効能
クローブには次の効果があります。
①抗酸化作用&抗菌作用
クローブの主要成分オイゲノールは、抗酸化作用が強く、体内で使い切れなかった酸素が「フリーラジカル(活性酸素)」として悪影響を及ぼすのを抑える働きがあります。
同時に抗菌作用も期待でき、腸にたまったガスを排出するなど、消化器系の不調にも適応されます。
②血管保護効果ほかいろいろ
香り成分「β-カリオフィレン」は血管の保護効果のほか、睡眠の質の向上、さらには抗うつ・抗不安効もあります。グローブには体だけでなく心の健康を促す可能性が秘められています。
クローブと歯の関係
歯医者さんのハーブ
医薬品規格基準書である日本薬局方にも記載されています。
また、鎮痛効果は米国食品医薬品局(FDA)に認可されているので、歯科の領域で利用されています。
クローブから抽出したチョウジ油と酸化亜鉛を主成分としてつくられた「酸化亜鉛ユージノールセメント」は歯根治療や虫歯の穴に詰めて消炎や痛みを和らげる目的で使われている歯科用の治療剤です。
歯磨き粉(剤)
市販のクローブ配合歯磨き粉もありますが、自宅で簡単に作ることもできます。
まずグローブをミルなどで粉末にしましょう。(粉末状のものを市販されています)
クローブは苦みがありますので他のドライハーブとブレンドすると使いやすくなります。
例えば、ドライハーブのタイムやセージ、エキナセアをあわせたり、塩を加えたりするとオリジナルの歯磨き粉ができます。スパイシーな香りと殺菌力で口内環境を整えてみてください。
また、クローブ水もお勧めです。
クローブ水
クローブ水は、クローブ5~10粒(こちらは粉末状でないものを使用)を500mlのミネラルウォーターに入れ一晩冷蔵庫に置いておくだけで簡単に作れます。
うがい・マウスウォッシュ・飲料と使え。
殺菌効果だけでなく口臭予防や風邪やインフルエンザ予防にも効果的です。
また飲むことで、腸内環境を整える効果も期待されます。
そのままのグローブ水が飲みにくい場合は、紅茶やチャイなどにするのもよいでしょう。
クローブと歯の関係にプラスして香りの活用法
クローブの香りは魔除け
エキゾチックでスパイシーな香りが魔除けにもなることをご存じですか?
それが「フルーツポマンダー」です。
果物にクローブを埋め込んでつくります。
因みに、ポマンダーの語源はフランス語の「pomme d’ambre(琥珀のリンゴ)」
もともとの始まりは、中世のヨーロッパではペストなど歴病が流行した時、スパイスの力で病気や災難を除けようと作られました。
日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパではクリスマスも向けて作られます。
作り方は簡単 りんごやオレンジといった果物に、グローブを半分ほど埋め込みます(刺します)。
グローブを指し終われば、定期的にシナモンやカルダモンのスパイスパウダーを振りかけます。
風通しの良いところにつるし3週間ほど乾燥させると、爽やかなフルーツ香りが漂います。
クリスマスツリーのオーナメントとしても利用されます。
うまく乾燥させると腐食することはありません。これがクローブの力です。
クローブの香りはG除け
海外の大学で研究もされていますが、クローブの精油成分オイゲノールは、ゴキブリよけになることをと示す結果がでています。
クローブはお茶パックや通気性のよい袋に入れてクローブバッグとして部屋の隅においたり、つるしたりして使用するとよいでしょう。
クローブは歯の強い味方
「歯医者さんのハーブ」といわれるクローブは急な歯の痛みなどにもぜひ活用してくださいね。
ただし、そのままにせず歯科医への受診も早めにそうぞ。
さらに、クローブはポトフ、ビーフシチュー、豚の角煮、カレーなど料理にも合いますし、肉の臭みなどを取ることにも重宝されます。
また、香りを活かし、菓子やドリンクの香り付けにも利用され用途がいっぱいです。
スーパーのスパイスコーナーにもあります。
比較的手に入りやすいハーブです。
よくハーブを使いきれなというのをききますが、今回ご紹介したようにグローブは料理以外でもさまざまな活用法があります。
抗酸化作用や抗菌作用の高いハーブは乾燥する季節にも強い味方になります。
ぜひいろいろな形でグローブをとりいれてみてくださいね。